赤い風船

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風船と少年の「友情」に心が温かくなる
パリの街が舞台のファンタジー映画

パリを舞台に、少年と彼が拾った赤い風船の不思議な友情を描いた名作ファンタジーです。

登校途中、街燈にひっかかっていた赤い風船を見つけた少年。風船を持ってバスに乗ろうとしますが乗車拒否され、仕方なく走って学校へ向かいます。門番に風船を預かってもらい、帰り道は雨にぬれないように、道行く大人たちに傘に入れてもらって帰宅。

しかし、ママに叱られて風船を外に出されてしまいます。でも不思議なことに、風船はまるで意思があるかのように少年の部屋の窓の外で留まっています。それから少年と風船はいつも一緒に行動することになるのですが、それを見たいじめっ子たちが、風船に
石を投げつけてきて……。

ずばり、小さいお子さんとも一緒に見られるのがいいですね。ストーリーはシンプル、台詞もほとんどない、しかし少年と風船の「友情」のようなものがほんわかと伝わってきて、楽しい気分になります。

注目したいのは色彩。パリの石造りのくすんだ白や灰色の建造物を背景にすると、赤くつやつや光っている風船の色にはっとさせられます。少年と風船が共に巡る美しいパリの町並みが、もうひとつの見どころであることは間違いないでしょう。

ラストはあっと驚くシーン。パリ中の風船が集まってきて……いったいどうやって撮影したのでしょう。映画ならではの、夢あふれるファンタジックなシーンです。

1956年アカデミー脚本賞、カンヌ映画祭で短編のパルム・ドール賞を受けています。(上坂 美穂)

上映時間:35分
日本語音声:なし
白黒/カラー:カラー
製作年:1956年
監督:アルベール・ラモリス
出演:パスカル・ラモリス
出演:サビーヌ・ラモリス
メーカー:アスミック・エースエンタテインメント
製作国:フランス
原題:Le Ballon rouge
備考:
親ゴコロポイント
  • 出演しているいじめっ子パリジャンの服のおしゃれさに目を奪われました。トリコロールのニットや、しっかりした仕立てのジャケットや靴。こういうところがなんか違う……と感心。主人公を演じた少年は、監督アルベール・ラモリスの息子さんだそうです。

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