ドキュメンタリーってどんな映画?

9月のこども映画プラスはドキュメンタリーに注目!
ドキュメンタリーってどんな映画なの? そんな疑問に、山形ドキュメンタリー映画祭のディレクターを20年務める、藤岡朝子さんが答えてくれます。

Q1 ドキュメンタリーってどんな映画?
Q2 テレビとどう違うの?
Q3 子どもと見るとき気を付けたいことは?
Q4 子どもと見たいおすすめドキュメンタリー

Q1:ドキュメンタリーって何?

ドキュメンタリー映画には、今起きていることを記録したり、事件を報道するためのもの、自然や歴史などを調査するために作られるものなど様々な作品がありますが、藤岡さんは「世界にカメラを向けたときの偶然性を、映画作品の中に取り込んだものがドキュメンタリー。原点に、“思いがけない世界”のおもしろさがあると思います」と答えてくれました。

「ドキュメンタリーは世界の窓なんです」と藤岡さん。断片的な情報ではなく、知らない場所や時代を見せてくれるもの。「世界ってこういうもの」という固定概念をひっくり返してくれるのが、ドキュメンタリーなのです。「世界の見方は多様で、おもしろい。そういうことを子どもに発見してほしい」とも。

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Q2:テレビとどう違うの?

作り手にとっての違いは大きくないと藤岡さんはいいます。TVでは人物のクローズアップや、音の使い方など技術的な違いは多少ありますが、むしろ違いが大きいのは観客の方。「映画館で見ると、映画に気持ちがぐっと入っていきます。家のTVで見ているのとは違うと思います」と藤岡さん。またTVか映画ということよりも、作品が作られた国の文化や習慣の違いの方が作品に大きく影響するといいます。

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Q3:子どもと見るとき気を付けたいことは?

ドキュメンタリーに描かれていることは必ずしも「事実」とは限りません。そこには作り手の意図がありますし、中には観客を洗脳する目的で作られたプロパガンダ映画もあります。そこで、ドキュメンタリーを見るときのコツを藤岡さんにアドバイスしていただきました。「作り手の目で映画を見がちなのですが、被写体の気持ちも想像してみるといいですよ。カメラを持っている人が権力を持つので、一方的な情報のこともあります。ですから、カメラのあちら側とこちら側、両方から考えることが大切ですね」。

子どもに見せるときには、見せっぱなしにせず、見たものについて話し合ったり、自分の世界に引きつけたりする作業をしていくといいでしょう。また、見る映画を選ぶ際は、世界の映画祭の受賞歴を目安にするといいと思いますとアドバイスしてくださいました。

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Q4:子どもと見たいおすすめドキュメンタリーは?

「ビラルの世界」

10月6日より東京・オーディトリウム渋谷ほか全国順次公開
監督:ソーラヴ・サーランギ © son et lumiere
インド/2008/ベンガル語・ヒンディー語/88分

盲目の両親とカルカッタのスラムに暮らす3歳のやんちゃ坊主ビラルの物語。
この映画の魅力は、まるで自分がカルカッタのスラムに迷い込んだかのような臨場感。大人というフィルターを通さずにビラルの見ているものを、そのまま見て、聞いて、感じることができるのが素晴らしい。

「生まれたのだから」

監督:ジャン=ピエール・デュレ、アンドレア・サンタナ
フランス、ブラジル/2008/ポルトガル語/90分

ブラジル内陸部のハイウェイ近くに住む二人の少年が自分たちの夢を語り合う物語。
少年たちの夢と現実、ハイウェイの風景やその先にある憧れの世界。映画ならではの世界観を楽しんでほしい。

*「生まれたのだから」は山形ドキュメンタリー映画祭で作品貸出(有料)をしています。
http://www.yidff.jp/loans/loans2009.html#f2

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藤岡朝子
山形国際ドキュメンタリー映画祭東京事務局ディレクター。韓国・釜山国際映画祭で アジアのドキュメンタリー製作・配給を支援するAND(アジア・ネットワーク・オ ブ・ドキュメンタリー)を構想し、製作助成ANDファンドのアドバイザーに。中国 ドキュメンタリー『長江にいきる』を配給、アジアのドキュメンタリー制作者の合宿型ワークショップ「映画道場」を主催。

次回は、ドキュメンタリーをつくる人や、ドキュメンタリーの雑誌を編集する人にもお話を伺いますので、お楽しみに!

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