裸の大将 山下清物語

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放浪する天才画家、山下清の生涯を
ユーモラスに描く人間ドラマ

大正から昭和にかけて、知的障害がありながら、絵には天才的な才能を発揮した実在の人物、山下清の生涯を描いた人間ドラマです。往年の同名テレビドラマシリーズでも主演した芦屋雁之助が清をひょうひょうとした雰囲気で演じています。

家は貧しく、小学校ではいじめっ子から格好の標的にされている清。そんな息子をふがいなく思う母が「もっと強くなっておくれ」と、言うので、清はいじめっ子たちに仕返しをしますが、危険な不良児童とみなされ、教護施設、八幡学園へ送られてしまいます。しかし、そこで出合ったちぎり絵が、清の才能を開花させました。偉い画家の先生たちからも作品が絶賛されます。それなのに、清は、学園を脱走し、放浪の旅に出ます。行く先々で、特有のしゃべり方で「ボ、ぼくは頭は悪いし、体は弱い。しかし、一所懸命働きますから、使って下さい」と雇ってもらい、また「死んだお母さんの遺言で、お腹がすいたらよその人におむすびをもらって食べなさいといわれた」(本当はお母さんは生きています)と、大好物のおむすびをねだります。そんなある日、清の作品がアメリカの雑誌で注目され、日本でも「日本のゴッホだ」と大騒ぎに。放浪の先々で、人々が清のことを知るようになってしまい……。

人を和ませるのんびりした雰囲気の清がリュックをせおい、おむすびをほおばり、仕出し弁当屋で働いたり、鹿児島に行ったり、とあちこちを放浪しながら、さまざまな人たちと触れ合います。有名になってからの清は、自分と同じ境遇の児童に絵を教えたり、全国で展覧会が開かれ、講演をする忙しい生活となります。

ハンディキャップを持っているがゆえに逆に自然体で生きているようにも見える主人公の存在感がこの映画の最大の魅力です。しかしラストシーン近く、脳溢血で倒れた清を目の前に、母が「障害を抱える子どもたちの親のほとんどは、子どもより先に逝かねばならない苦しみを恐れながら生き、自分が死んだ後の子どもたちの将来を憂いながら死んでいる」と苦悩を覗かせます。社会的なメッセージも作品には込められています。(上坂 美穂)

上映時間:117分
日本語音声:あり
白黒/カラー:カラー
製作年:1981年
監督:山田典吾
出演:芦屋雁之助
出演:中村玉緒
メーカー:角川書店
製作国:日本
原題:
備考:
親ゴコロポイント
  • 映画の中に、清の作品が多く挿入されています。子どもは、清の絵には「いいね!」と感心していました。特に「花火」が清のお気に入りのモチーフだったとか。映画を見たあと、図書館などで、清の絵を親子で調べてみるのもいいかもしれません。
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