キリクと魔女

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小さな子どもの好奇心が村を救う
名画のように美しいフランスのアニメーション

舞台はアフリカ。持ち前の好奇心と行動力で、魔女に支配された村を救う小さな男の子キリクの冒険を描くファンタジー。とても美しい、フランスのアニメーション作品です。

赤ん坊のように小さいけれど人一倍元気な男の子キリク。キリクの住む村は、魔女カラバの呪いにかけられ村人たちは苦しんでいました。泉はかれて水も無く、夫や恋人たちは魔女を倒しに出かけてそれっきり。男たちはみな魔女に捕って食べられてしまい、残っているのは女と子供と老人だけ。

好奇心旺盛なキリクはみなに尋ねます。「どうしてカラバは意地悪なの?」疑問すらもたない大人をよそに、キリクはその答えを知るという賢者のもとへ旅立ちます。様々な困難を乗り越え賢者のもとへたどり着いたキリクは「魔女の意外な真実」を知ることになります。

ちょっと怖くてユーモラスなおとぎ話風の物語ですが、そこに込められたメッセージは深いです。「真実を見極めること」「なぜ?を追及することの大切さ」「知恵と勇気をもって行動すること」。

でもこの映画の大きな魅力は「色」の美しさです。あまりの美しさに場面が変わるたびに思わずハッとするほど。まるで名画を鑑賞しているような贅沢な気分になります。深遠なテーマも色彩も、小さい頃に住んでいたアフリカでの体験が大きなヒントになったと言うミッシェル・オスロ監督。『火垂るの墓』『おもひでぽろぽろ』の高畑勲監督が、翻訳と日本語版の演出を手がけています。(上原 千都世)

上映時間:74分
日本語音声:あり
白黒/カラー:カラー
製作年:1998年
監督:ミッシェル・オスロ
声の出演:アウ・セヌザー
声の出演:ドドゥ・ゲイエチャ
メーカー:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
製作国:フランス
原題:Kirikou et la Sorciere
備考:
親ゴコロポイント
  • チビッ子キリク足速すぎ! キリクに出し抜かれメラメラ悔しがる魔女カラバ、カラバのとぼけた手下など笑える要素もたくさん。そしてキリクの「なぜ?」攻撃に丁寧に答えているキリクのお母さんが素敵です。どんなにしつこくても「なぜなぜっていい加減にしなさい!」なんて言わないんですね(苦笑)。そんな親のもとで好奇心をめいっぱい開かせたキリクが全てを救う、という物語に、お母さん目線で考えさせられることもたくさんです。