岸辺のふたり

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少女のもう会えない父への想いを描く
美しく、悲しい短編アニメーションの傑作

帰らぬ父を待ち続ける少女の“一生ぶんの切なさ”が短い映像の中に詰まった、味わい深い短編アニメーションです。

少女の目の前で、お父さんはボートを漕いで地平線の彼方に消えてしまいます。その日から少女は雨の日も風の日も、晴れた日もどんなに寒い日も自転車をこいで岸辺にやってきます。友だちや恋人と、かつての父のように親になって子どもたちと……。月日は流れ、歳老いてもなお彼女は岸辺に立ち、父が消えた彼方を見つめるのです。

もう会えない大好きな人を想い続ける気持ち。たった8分の中に、昇華できない想い、ひとりの女性の人生と帰らなかった人の人生が凝縮されています。セリフもなく、モノクロに近いスケッチ風のシンプルな画で淡々と進みますが、そこからにじみ出る思いは深く、ラストシーンでは思わず涙がこぼれそうになります。アコーディオンとピアノによる「ドナウ川のさざ波」の哀愁漂う旋律が、少女の想いに優しく寄り添います。

2001年のアカデミー賞短編アニメーション賞ほか、イギリスのアカデミー賞、広島国際アニメーションフェスティバル・グランプリなど数々の映画賞を受賞している作品です。(上原 千都世)

上映時間:8分
日本語音声:なし
白黒/カラー:カラー
製作年:2000年
監督:マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット
メーカー:ハピネット
製作国:イギリス/オランダ
原題:FATHER AND DAUGHTER
備考:マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット作品集
親ゴコロポイント
  • 大好きなお父さんが突然いなくなってしまう…。お父さんっ子の女の子が見たら、ちょっぴり泣けてしまうかもしれません。たった8分、セリフもなければ色も背景も絵も本当にシンプルな作りです。だからこそ、「絵が動く」楽しさを感じて欲しい。そしてアニメーションの力を感じさせる表現と繊細な感性にぜひ出会って欲しいです。
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