火垂るの墓

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戦火の中14歳と4歳の兄妹のたどる
過酷な運命を静かなタッチで

太平洋戦争末期の神戸を舞台に、孤児になった兄と妹が戦火の中を生き抜こうとするヒューマン・アニメーションです。

1945年、神戸の三ノ宮駅構内で衰弱死した戦災孤児の清太。彼の遺品のドロップ缶の周りに蛍が飛び交い、14歳の清太と4歳の妹の節子の過酷な運命が、さかのぼって語られていきます。6月5日の神戸の大空襲で家と母を失い兄妹ふたりだけになったこと。親戚に身を寄せるも、食料不足から間借り生活が辛くなり家出、防空壕の中で助け合って暮らし始めたこと。しかし節子は次第に栄養失調で弱っていきます。清太はなんとか妹を救おうとしますが……。

アニメーションは子どもが見るものだから、とたかをくくっているとあまりにも衝撃的で、リアルです。そのタッチは「反戦」を叫ぶというより、むしろ淡々と静か。食料のせいでこじれてくる人間関係や、作物を盗む場面など、人間の内面にも迫りながら、兄妹の絆と、戦災の中で子どもがどうやって生き延びようとしたかを描きます。原作は野坂昭如が自身の体験を描いた同名小説。主人公の死で始まる冒頭からの厳しい社会の現実を写したストーリーと、アニメーションらしい優しい絵のコントラストが胸を締め付けます。(上坂 美穂)

上映時間:88分
日本語音声:あり
白黒/カラー:カラー
製作年:1988年
監督:高畑勲
声の出演:辰巳努
声の出演:白石綾乃
メーカー:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
製作国:日本
原題:
備考:
親ゴコロポイント
  • 子育て中のママならどうしても自分の子どもと重ねてしまうからつらい部分があるのも事実。しかし観るべき映画であることは間違いない1本です。ぜひ、親子で観て話し合ってみては。しかしそれにしても公開当時、「となりのトトロ」と同時上映だったとは……。(あまりにも雰囲気が違う!)
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