お早よう

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親子・ご近所の人間関係を描く
ユーモラスなタッチがたまりません

東京郊外、長屋のように立ち並ぶ建売住宅の一角を舞台に、大人の世界と子どもの世界を対比させながら、親子や夫婦の関係をユーモラスなタッチで描く人間ドラマです。

友だちに額を押されると「ぷっ」とおならをするギャグが子どもたちの間で流行中。実と勇の兄弟も、いま一生懸命おならを練習中です。もうひとつふたりが夢中なのが、近所の派手好きな若夫婦の家で見せてもらうテレビ。一方、母親たちは「最近町内会の会費がなくなった、誰かがネコババしているのでは?」と噂話にかまびすしい……。

そんなごく日常生活のお話で、大きなドラマがあるわけではないのに、等身大の登場人物たちの生き生きした姿に画面から目が離せません。お母さんたちが全員着物姿で登場するような昔の時代らしいゆったりした時間の流れも、映画を観ながら味わってほしいもののひとつです。また、主婦ならではの人間関係や噂話(いまならママ友とのつきあい?)、「テレビを買ってくれ」と駄々をこねる子ども(いまならDSを買ってくれ?)など、今の世界とまったく変わらないところに発見もあります。いつの時代も子どもはやんちゃで、親は子どものしつけに手を焼くんですね。(上坂 美穂)

上映時間:94分
日本語音声:あり
白黒/カラー:カラー
製作年:1959年
監督:小津安二郎
出演:佐田啓二
出演:久我美子
メーカー:松竹
製作国:日本
原題:
備考:
親ゴコロポイント
  • テレビが欲しい! と「無言」のストライキをする兄弟と、それを叱るお父さんの姿に今も昔も変わらないなあ……とほっとするような気持ちに。この映画は言葉(あいさつ)がテーマにもなっているのですが、兄弟の叔母のほのかな恋心を描写する駅の場面に、素敵なあいさつのシーンがあります。