原爆の子

おすすめ作品バッジ

原爆投下後の広島の悲劇を
静かなタッチで綴る名作

広島への原爆投下から7年後に撮影された人間ドラマです。

幼稚園の先生をしていた孝子は、原爆が投下された昭和20年8月6日に広島で家族を失い、自分だけが生き残ります。数年後、瀬戸内海の小さな島で教師として暮らしていた彼女は、かつての幼稚園の教え子たちの消息を尋ねるために、夏休みを利用して広島を訪れます。貧しい家庭で靴磨きとして働く少年の父が亡くなるところに行き合わせ、孤児となって教会に引き取られた後、原爆症と思われる症状で今まさに死と向き合っている少女を見舞います。そして、以前、孝子の家の使用人であった岩吉とも再会しますが、岩吉は息子夫婦を亡くして盲目となり、たったひとりの身内となった孫の成長を楽しみに物乞いをして暮らしていました……。

生き残った人たちの現在を描くことで原爆の悲惨さを静かに、ひしひしと訴えかけていきます。主人公の孝子自身も、腕にガラスの破片が入ったままですが、戦争を忘れないためにこのままにしておくのだ、と語ります。その口調が淡々としていなから前向きなことが希望でしょうか。2011年3月11日を経た現在の私たちにとって、この映画は古い時代の戦争の映画ではなく、なんと身近な映画になってしまったことでしょう。(上坂 美穂)

上映時間:85分
日本語音声:あり
白黒/カラー:白黒
製作年:1952年
監督:新藤兼人
出演:乙羽信子
出演:滝沢修
メーカー:角川書店
製作国:日本
原題:
備考:
親ゴコロポイント
  • 登場する子どもの母親が、広島平和記念資料館の工事現場で働いているシーンがあります。実際の建築途中の現場で撮影されたようです。そんな風にリアルに復興の途上だった広島が舞台であることに神妙な気持ちになります。原爆症で亡くなっていく少女の姿にも、ただ涙……。戦争の悲劇、原爆の悲惨さ。親子で話し合える契機になる映画です。子どもたちにどう見て欲しいか、触れて頂ければと思います
広告