2015年パパ・ママ映画ジャーナリストが選んだベストワン

(C)2015映画「バクマン。」製作委員会

2015年パパ・ママ映画ジャーナリストが選んだベストワン

恒例のパパ・ママジャーナリストに選んで頂く「今年の1本!」。2015年のベスト1にはどんな映画が選ばれたでしょうか?!

★洋画ベストワン★

『スター・ウォーズ フォースの覚醒』

相馬学さん
『スター・ウォーズ』シリーズの一作目(=『エピソードⅣ』)が公開された頃は小学生だった筆者も、今では高校生の息子を持つ身。10年ぶりのシリーズ最新作となる本作は、シリーズならではのワクワクするようなスペースオペラで嬉しくなった。孤独な少女がある出会いによって宇宙へ旅立ち、銀河を二分する戦争に巻き込まれる……という展開は良質の冒険劇や成長劇という一作目のスピリットを正しく受け継いでいる。時代は変わっても、こういう正統派のSFアクションは子ども世代をしっかりワクワクさせるもの。旧シリーズのキャラの登場にも、お父さん世代はグッとくる。

久保玲子さん
子供もアンチヒーローに惹かれるようで、『スター・ウォーズ』もルークよりダースベイダー好き。公開に向けて、お友達も家族みんなでエピソード6までを予習復習、子供たちも「今度の主人公は女なんだって!」等々、前情報を集めて年末の公開を心待ちにしていました。そしてクリスマスに観に行った『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』、息子にとってアンチヒーロー、カイロ・レンはちょっとインパクト不足だったようですが、次作に期待。目下、男の子たちはスター・ウォーズのレゴに夢中。1年を通してのスター・ウオーズ・イヤーでした。

落合有紀さん
年上の従兄弟の影響で『スター・ウォーズ』全シリーズを見ていた息子の希望で鑑賞しました。消息不明のジェダイ、ルーク・スカイウォーカーを双子の妹であるレイアや軍事組織のレジスタンス、騒動に巻き込まれた廃品回収者のレイやストーム・トルーパー出身のフィンなど総掛かりで探し出す宇宙冒険活劇です。アクションは当然ながらスリル満点、直近のシリーズでは弱かった人間ドラマもガッチリ構築されていて飽きさせません。レゴ好きの息子はレジスタンスのXウィングを再現して、しばらく映画の世界に浸っていたようでした。

『ジュラシック・ワールド』

森直人さん
うちの息子(3歳)が2015年後半に目覚めたのが「恐竜」です。親も聞いたことのない固有名詞をガンガン覚えてます。なので現在、恐竜図鑑の付属DVDと共に、『ジュラシック・パーク』シリーズも毎日のように繰り返し一緒に観ている次第(スピルバーグが監督した二作よりも、わかりやすく恐竜が出てくるパート3がお気に入り)。ただ『ジュラシック・ワールド』は遺伝子操作で「半分怪獣」の域に突入しているので、そこをどう説明したらいいもんかと。もう少しお兄ちゃんになったら『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』あたりを一緒に観たいです。

『クーキー』

金原由佳さん(反抗期真っ盛りの中学二年生男児の母。共通の趣味である邦楽ロックの話題で何とか乗り切っている日々。)
お母さんが捨ててしまったピンク色のテディベアのクーキーが、ごみ処理場から大好きな6歳の男の子、オンドラの元に戻ってこようとする活劇人形劇です。管理で縛り付け、クーキーを執拗に追い掛け回すゴミの番人は、子どもに過干渉な親の投影のようでドキっとします。森の木や葉っぱで作られた精霊たちの力を借りて、森から脱出しようとする手に汗握るカーチャイスの場面は「ルパン三世」や『マッド・マックス 怒りのデス・ロード』に匹敵するくらい迫力あります。日本語吹き替えがないのですが、お父さん、お母さんが声優になり切って字幕を読んであげると、小さなお子さんから楽しめると思います。

★邦画ベストワン★

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『バクマン。』

森直人さん
こちらは思春期以降、というイメージで。男子高校生コンビがプロの漫画家の世界に踏み出していくお話で、原作の映画化という以上に、藤子不二雄Ⓐ先生の永遠の名作『まんが道』へのオマージュがたっぷり。僕も少年時代には『まんが道』に超燃えていましたし、いまだに座右の書ですので(その前に出会ったのは亜流作品の『ハムサラダくん』でしたが)。自己実現や夢を説くだけでなく、現実の仕事の厳しさを踏まえた傑作。春から小学六年生になる甥には薦めておきました。

金原由佳さん
好きなことで稼いでいく。これがどれだけ難しいことか、そして仕事には必ず競争の原理が働くことを、少年マンガ家の姿を通して教えてくれます。あと、物事に夢中になるときに陥る集中力の無我の境地、「黒子のバスケ」的に言うと、“ZONEに入る”感覚をプロジェクションマッピングで描いている場面がとってもユニーク。これが集中するってことよ、って、集中力のない子どもたちに教えてあげたい(笑)。唯一の不満は、紅一点のヒロインが美しいお人形さんのように描かれ、彼女の気持ちがちっともわからない点。その意味で、好みは別れるかと思います。小学生高学年から楽しめるかと思います。

『俺物語!!』

相馬学さん
大好きな女の子が、イケメンである自分の親友に恋していると知り、泣く泣くその間を取り持とうとするバンカラ高校生。しかし、それは彼のカン違いで……というラブコメによくある展開。それでも、主人公の昭和的な硬派キャラクターが、お父さん世代にはフィットして共感を引きつける。平成生まれには、むしろその親友の一見クールだが芯のしっかりしたキャラに感情を寄せやすいだろう。いずれにしても、思春期の子と一緒に楽しめるに違いない。

『バケモノの子』

久保玲子さん
安保法案が通ってしまった戦後70年の節目の年。息子が小学校高学年ぐらいなら『野火』を一緒に観てみたかったです。でも、まだ未就学児のため、もう少し持ち越して、親子で楽しんだベスト日本映画は『バケモノの子』でしょうか。馴染みのTSUTAYAなど、見慣れた渋谷の街並がスクリーンに描き出されるのを不思議そうに眺めながら、修行風景を楽しんで、ラストの対決に目を見張って観ていました。「憎むってどういう意味?」「誰かをすっごく憎むと心に闇ができるって。動物には心の闇はないの?」「じゃあ、ダークサイドに落ちたダースベイダーと一緒だ!」「はくげいって何?」と帰り道、会話が弾みました。

『おかあさんの木』

落合有紀さん
『おかあさんの木』はお子さんの心が柔らかいうちに道徳的なお話に触れてほしいと願いを込めて推薦します。貧しい農村でお母さんが苦労して7人の息子を育てているところに日中戦争が勃発。息子全員が次々と召集され、お母さんはそれぞれの手柄と無事を祈り桐の木を植え、毎日木に語りかけます。しかし、願いむなしく、おかあさんは息子たちと二度と再会できず……。戦争の功罪を真正面から突きつける大変まじめな映画で、おかあさんの無念が痛烈に伝わります。泣かされました。

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