「いまを生きる」―先生のお仕事

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学校の先生のお仕事―「バベルの学校」「いまを生きる」
(上坂美穂)

子どもたちにとっては最も身近な仕事のひとつである「学校の先生」。でも最近は「将来の夢は先生!」という子どもは減っているというアンケート結果があるそうです。「仕事」としてみるとハードワークだということが理解されてきたのかもしれませんね。そういう私の両親は実は教師。自分の学校行事に親が来たことは一度もありません(当時は当たり前だと思っていましたが)。いま子どもの親として若い先生に接してみると、無意識にいつも「先生頑張って!」と応援していることに気づきました。本当に、人を育てるって、大変なことですよね。

©pyramidefilms

さて、2015年新春公開予定のドキュメンタリー映画「バベルの学校」には、異国からパリに来た子どもたちを忍耐強く指導する女性教師が登場します。フランス語の「適応クラス」(補習クラス)で学ぶ11歳から15歳までの、20の国籍の24人の子どもたち。親の亡命、経済的などそれぞれがパリにいる理由や背景、もちろん文化も違うため、子どもたちのいざこざもしょっちゅう。どう考えても大変な仕事ですが、先生は家庭の事情を頭に入れながら、一人ひとりの子どもたちを受け止め、優しく教え諭す姿が印象的です。

子どもたちは「違い」と「同じ」をテーマに自分たちを題材に映画を撮るのですが、紛争の絶えない世界の縮図がこの小さなクラスの中にあり、そしてその紛争を解決するためのヒントも、この小さなクラスの中にある。そしてその鍵を握るのが、穏やかで、忍耐強い先生の存在なのだと、ラストシーンに胸が熱くなりました。 「バベルの学校」公式HP

一方、こちらは先日悲報が伝えられたロビン・ウィリアムズ主演の「いまを生きる」。全寮制の名門校にやってきた型破りな英語教師キーティングによって、生徒たちの内なる魂に火がつく様を描いた青春映画です。

ラストには悲劇的な出来事が起こり、キーティングは学校を追われることになるのですが、「教育とは独立心を養うこと」という彼の信念は、生徒たちにしっかりと根付きました。親にしてみると、身につまされる、進路をめぐる親子の対立も描かれているのですが、おそらく、親子だけでは解決できないことを違う立場で答えを出してくれるのが教師の存在なのだと実感します。 「いまを生きる」公式HP

最後にごく個人的な「絆」を実感した話を。実は昨年、父が亡くなったとき、初めての教え子だったという元生徒の皆様が葬儀に来てくださいました。50年近く前の話だし、皆様還暦を過ぎているのですが、当時まだ新人教師だった父の思い出を語ってくださいました。先生と子どもの絆というのは、何十年たってもあるのだなあと、しみじみありがたく思ったのです。

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