映画デビュー100周年!子どものためのチャップリン入門

映画デビュー100周年!子どものためのチャップリン入門

今年はチャップリンが初主演した「成功争い」(1914年)からちょうど100年。そして4月16日は、125回目の誕生日にあたります。チャップリンの映画はいつも子どもたちに大ウケですが、いったいどんな人だったのでしょうか。チャップリンの素顔とその魅力をご紹介します。

Q1 どんな時代に、どんな少年時代を過ごしたの?
Q2 チャップリンのトレードマークは?
Q3 どうしてこんなに長い間多くの人に愛されているの?
Q4 大切にしていたことは何?
Q5 どうして天才といわれるの?
Q6 どうして「独裁者」を作ったの?
Q7 どうして可笑しいの?
Q8 子どもがはじめて見るならどれがおすすめ?

Q1:どんな時代に、どんな少年時代を過ごしたの?

今から125年前の1889年4月16日にイギリス・ロンドンに生まれした。アドルフ・ヒットラーが、その4日後の4月20日に生まれています。この年にはパリ万博が華やかに開催され、6年後の1895年にはリュミエール兄弟によって映画が初公開されました。チャップリンは映画と同時代に生まれて、映画の発展とともに活躍した人でした。

両親は歌手でしたが、父親は10歳のときに亡くなり、母親は心を病んで病院に入れられてしまいます。生きていくために、異父兄のシドニーと床屋、ガラス職人、新聞の売り子など、あらゆる職を転々としました。同時に小さな役で様々な舞台にも出演していまいた。19才の時フレッド・カーノ劇団でコメディアンとして働き始め、巡業でアメリカに行きます。その実力を認められ、24才の時にドタバタ喜劇で有名なアメリカの映画会社、キーストン・スタジオに入社します。これが映画の仕事の始まりで、俳優としてだけでなく、すぐに監督としても活躍するようになりました。

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Q2:チャップリンのトレードマークは?

山高帽にステッキ、大きな靴を履いて、ちょびひげをはやした姿は、一度見たら忘れられません。チャップリンは、大好きだったフランスのコメディアン(マックス・ランデール)の真似をして、こんな格好を始めたそうです。でも自分らしさを出すため、ぼろぼろの洋服と靴をはき、浮浪者なのに自分のことを紳士だと思っている男を演じていました。

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Q3:どうしてこんなに長い間多くの人に愛されているの?

チャップリンが映画を作り始めた時代は、映画は10分くらいで、音もなく(サイレント)、追いかけっこや、パイを投げるようなコメディ(ドタバタ喜劇)がたくさん作られていました。そんな中チャップリンはいち早く、ギャグや笑いだけでなく、貧しい人々の悲しみや怒りを取り上げて、多くの人の共感を得ました。チャップリンの映画に共通するのは、「人を愛することの大切さ」「働くことのすばらしさ」「食べることの喜び」です。だからいつの時代にも、どんな国でも愛され続けるのでしょう。

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Q4:大切にしていたことは何?

チャップリンの映画は世界中の人々に愛され、大ヒットしていました。ですから国が変わっても、映画のおもしろさが伝わるためには、言葉は邪魔だと考えていました。俳優の表情や動きでおもしろさを伝えることにこだわっていました。また、お客さんが映画を楽しんでくれたかどうかをとても気にして、大切にしていました。

映画の技術という点では、あまり変わったことはしていませんでした。しかし、その作り方は独特でした。何度も何度も同じ場面を、納得がいくまでやり方を変えて繰り返し演じました。またお話作り、俳優、監督、編集、音楽と、何でも自分でやっていたので、映画が完成するのにとっても時間がかかりました。全てを自分の思い通りにしたくて、ついには仲間の俳優たちと自分の映画会社(ユナイテッド・アーティスツ)まで作ってしまいました。

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Q5:どうして天才といわれるの?

俳優、監督、脚本、音楽と、チャップリンはひとりで何でもこなしました。正式に勉強したことはありませんでしたがバイオリンやチェロを弾いて、音楽の指揮もしたそうです。独特のアンテナを持っていて、どんな物語なら映画としておもしろくなるか、どう動けば笑ってもらえるかよく分かっていました。それは誰かに教えてもらったものではなく、生まれながらにチャップリンが持っていた才能であり、誰にも真似のできないものでした。チャップリンを「映画のシェイクスピア」と言う人もいます。

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Q6:どうして「独裁者」を作ったの?

チャップリンは貧しい人々の気持ちがよく分かっていました。戦争になれば、困るのは庶民だと知っていたのです。ですからチャップリンは戦争に反対していました。そのことを世の中に伝えるために、「独裁者」を作りました。小柄でちょびひげをはやしていたチャップリンが、生年月日の近いヒットラーに似ていると言われたことも動機のようです。
また「モダン・タイムス」では機械文明を皮肉り、「黄金狂時代」では人間の欲の怖さを描いて、笑いの中に批判精神をもった映画をたくさん作りました。

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Q7:どうして可笑しいの?

チャップリンは、お客さんの「こうかな?」と思っていることの裏をかくのが得意でした。ですからお客さんは、いつも失敗や失態ばかりのチャップリンが機転を利かせて大活躍する姿に大喜びしました。また、弱く貧しい立場のチャップリンが、強い人や体の大きい人、金持ち、エラそうにしている警察官の裏をかいて彼らが間抜けに見えるようなお話を作ってお客さんを大笑いさせました。

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Q8:子どもがはじめて見るならどれがおすすめ?

幼稚園から小学校高学年までにおすすめの4本をご紹介します。

「サーカス」
1928年/72分/セリフなし/白黒 幼稚園から
浮浪者チャーリーがサーカスで起こす笑いと涙の大騒動!
【ポイント】はじめてみるなら「サーカス」がおすすめ。綱わたりや、ライオンの檻など、ワンシーンワンシーンが、どきどきはらはら楽しめます。


発売元:コスミック出版 価格476円+税

「チャップリンの消防士」 1916年/25分/セリフなし/白黒
「チャップリンの冒険」 1917年/20分/セリフなし/白黒
共に幼稚園から
いつものチャップリンとは違った服装で、脱獄囚や消防士(消防馬車の運転手)を演じます。
【ポイント】チャップリンのドタバタ短編喜劇のピークと言われる時期の作品。次から次にギャグが連続。

「キッド」
1921年/52分/セリフなし/白黒 小学校低学年から
捨て子を拾った浮浪者チャーリーの笑いと涙の物語。
【ポイント】時間も短く、子どもが主人公なのでみやすい映画です。


発売元:株式会社KADOKAWA 販売元:紀伊國屋書店
価格3800円+税

「モダン・タイムス」
1936年/87分/セリフなし/白黒 小学校高学年から
工場で働くチャーリーは、あまりの忙しさに頭がおかしくなって、工場は大混乱!
【ポイント】チャップリンが、はじめて言葉を発した映画。規則にしばられて同じことをしなければならない人間をおもしろおかしく描いています。

CHAPLIN FILMS COPYRIGHT©Roy Export S.A.S. ALL RIGHT RESERVED.

※この記事は、多摩美術大学の西嶋憲生教授のお話をもとに構成しました。

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