動物園の仕事-「旭山動物園物語」

映画を通して様々な仕事を知る新シリーズの2回目は、動物に関するお仕事です。

動物園の仕事―「旭山動物園物語」と「幸せへのキセキ」
上原千都世

マンガと映画「銀の匙」を観て、将来は「馬の世話をする仕事」に就きたいと言う小6の長女。そんな娘の参考になるかと、「旭山動物園物語」を観てみました。

動物の仕事は「命」を預かる仕事。途中でお世話を投げ出すことは許されません。フンだらけの園舎での毎日の掃除はもちろん、情緒不安定なゴリラと一日一緒に過ごしたり、ゾウに近づき過ぎた飼育員に悲劇が起こったりもします。動物との毎日は「待ったなし」の大変なお仕事なんですね。

仕事は、動物の世話だけではありません。夜な夜なの勉強会や来園者を増やすための企画会議、職員が少ない旭山動物園では、口下手な飼育員さんもワンポイントガイド(入園者への解説)をせねばなりません。長女は「旭山動物園って最初はさびれてたんだね……」とポツリ。そう、動物園をたくさんの人に楽しんでもらうためには、動物のお世話以外にも、たくさんの仕事があるのです!

もう1本、「幸せへのキセキ」は、子供との関係を立て直すため、動物園つきの家を購入した元新聞記者の物語。クマが脱走したり、鍵をかけ忘れた箱から大量のヘビが逃げ出して職員総出でつかまえるハメになったり、これまた大変!

「私は友達が彼氏と楽しくデートしているときにスコップでフンをすくっている」そんな、飼育員の女性チーフの言葉も身に沁みます。オシャレや恋より動物。そんな娘の現実に、親の方が心配になってしまうかも(笑)。

「動物がカワイイ」だけでは続かない、厳しいエピソードがたくさんありましたが、観終わっても長女は「それでも動物の仕事がしたい」とキッパリ。どうやら彼女はホンモノの動物好きらしい。夢、叶うといいね。お母さんも応援しています。

「旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ スペシャル・エディション」
価格¥3,800+税 発売元・販売元 株式会社KADOKAWA 角川書店
「幸せへのキセキ」 ブルーレイ発売中
¥2,381+税 20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント

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