
うさこちゃんのお子様ランチ
―『劇場版ミッフィー どうぶつえんで宝さがし』より―
伊藤麻衣子 Maiko Ito
子どもの頃、キャラクターというものがほとんどない家で育ちました。そんな中で唯一あったのが、うさこちゃんです。オランダの絵本作家ディック・ブルーナの絵本を愛読していたので、その中から飛び出したうさこちゃんだけが母のお眼鏡にかなったということなのか? 3歳まで暮らしていた福島の家は、屋根はオレンジで、外壁は白。まるでうさこちゃんの絵本の中に出てくるようなシンプルな家でした。そしてオレンジの玄関には、6人のうさこちゃん家族のシールが貼ってありました。

今ではミッフィーとして子どもたちに大人気のうさこちゃんが、ついに映画になりました。『劇場版ミッフィー どうぶつえんで宝さがし』が3/23(土)から公開になります。今月は子どもたちの大好きなお子様ランチをうさこちゃん風にアレンジします。

映画の情報はこちら『劇場版ミッフィー どうぶつえんで宝さがし』
■うさこちゃんのお子様ランチ
【材料】二人分
白米 適量 ※炊いておきましょう
粉チーズ 少々
合挽き肉 100g
玉ねぎ 1/4個 ※みじん切りに
パン粉 大2
卵 1個
塩、こしょう 少々
ケチャップ 大3
ウスターソース 大3
赤ワイン 大1
人参 3cmくらい
コーン 小1缶
オリーブオイル 大1
バター小1
塩、こしょう 少々
しめじ 適量
バター 大1
ブロッコリー 適量
塩 適量


合挽き肉、みじん切りにした玉ねぎ、卵、パン粉、塩、こしょうをボールに入れて、手でこねます。
粘り気がでてかたまりになるくらいまでこねたら、少しねかしておきます。


人参は皮をむいて、さいの目に切ります。ブロッコリーは適当な大きさに、しめじは石づきをとって塊のままに。


フライパンにオリーブオイルを入れ、人参をいれ、塩をふって蓋をしめます。こうすると人参から水が出て蒸し焼きになります。コーンを加えて炒め合わせ、バター小1をいれ風味を加えます。塩、こしょうで味付けして、取り出しておきます。
ブロッコリーは塩をいれたお湯で、ゆでます。色が鮮やかになったらお湯から取り出して、水をさっとかけこれ以上熱が回らないようにします。水をきります。

ハンバーグの種を小判型にして、真ん中をへこませます。大きさはお子さんの好みや年齢で決めてください。


フライパンにサラダ油を入れて、肉を焼きます。あまり動かさずに、蓋をしめてじっくり蒸し焼きにします。
焼き方はお好みで。表裏焼きあがったら、取り出します。取り出したままのフライパンに、ケチャップ、ソース、赤ワインを加えて、混ぜ合わせソースを作ります。ケチャップを多くすると甘く、ソースを多くすると辛くなるので加減して作ってみてください。とろみがでたら止めます。焦がさないように気を付けてください。

白米に粉チーズをよく混ぜます。チーズがつなぎにもなり、味のアクセントに。盛り付けの開始です。ご飯をうさぎ型ににぎって、お皿にのせます。
あとは想像力にまかせて、楽しく盛り付けてみてください。動物園を作るのはむずかしいので、お花畑で宝さがしをしているようなイメージにしてみました。

今月はコーディネートもふくめて、全体の色合いをブルーナさんの絵本の世界の色を使ってみました。青、白、緑、オレンジ、黄色などが目にも鮮やかですが、いろんな色の食べ物をそろえると、栄養のバランスもよいので助かります。お子さんもきっとうれしくて、食べることが楽しくなるはずです。
さて、今月でこの料理コラムが最終回となります。
一年間、料理を作ってみて気づいたのは、驚くほど自分が母親の影響を受けて育ったということです。食べ物の好みはもちろん、料理の感覚、そして味覚。大切に育ててもらったのだと感謝の気持ちが、より強くなりました。
日々の家事や料理は本当に大変です。子育てをしながらであれば、より大変だと想像します。でも子どもにとって、美味しい料理やご飯の時間はきっと大切な想い出になります。写真の頃に3歳だった私(右の小さな子)は、朝、家の畑で人参の間引きをしていました。その小さな人参にマヨネーズをつけて食べるのがお気に入りでした。私の記憶にも心にも、ちゃんと福島での日々が根付いています。ぜひ、子どもたちの想い出を作っていると思って、料理が苦手な方も、お子さんと一緒に料理の時間を楽しんでみてください。
それでは、一年間ありがとうございました!
伊藤麻衣子(Maiko Ito)
福島県白河生まれ。4人兄弟、男兄弟にかこまれて育つ。
今は映画などの宣伝と、沖縄の器の営業を生業に。料理上手の母を見て育ったので、気づけば料理が趣味に。今回はこのコラムで映画、器、料理と自分の好きなものをどう形にできるかが楽しみです。
美味日和~谷根千暮らし~
過去の記事
≫新学期はお弁当の季節 ―『となりのトトロ』より―
≫父と息子のフレンチ・トースト ―『クレイマー、クレイマー』より―
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